梅工房おおいしのおすすめする「島田八房梅」ってどんな梅の品種?
こんにちは、梅工房おおいしのブログ担当の松下です。
当工房は「梅の里」として知られる島田市伊太地区で、梅の栽培と加工をしています。いろいろな種類の梅を育てていますが、その中でも「島田八房梅(しまだやつふさうめ)」という梅を特におすすめしています。
島田八房梅ってどんな梅なのでしょうか?このブログで、おすすめする理由をご紹介します。
ふっくらとした実が房のようになる「島田八房梅」
島田八房梅は種が小さくて肉厚。実も皮もやわらかくて味わい深い、とってもおいしい梅です。伊太地区では最も古くから栽培されている梅だと言われています。
八房梅という品種は、一つの花から複数の実が房のようにいくつもできます。全国の他の土地でも栽培されていますが、このおいしさの特長を持つのは島田市伊太地区で採れる八房梅だけなんです。
そのため、当工房ではこの八房梅を特別に「島田八房梅」と呼んで、おいしさの普及につとめています。
伊太の土から生まれたおいしさ
なぜ八房梅の中で島田八房梅だけが、この味わいの特長を持っているのでしょうか?
伊太の梅農家の間では昔から、伊太の土壌と相性が良いからだと言われています。
伊太の土は粘土質で、古くから屋根瓦などにも使われていました。この土壌が八房梅とマッチして、おいしさを引き出してくれるのだと考えられています。
南高梅と比べてもおいしいの?静岡大学で調べてもらいました
ふっくらとしてやわらかく、味わい深い島田八房梅。
「そうは言っても、おいしくて有名な南高梅には敵わないんじゃないの?」なんて感じる人もいるかもしれません。
そこで以前、静岡大学農学部の研究室で南高梅と島田八房梅を様々な面から比較・解析してもらいました。
①実のやわらかさ「破断強度」を比較
まずは「破断強度」を解析。
島田八房梅の特徴の一つである実のやわらかさを比べるために、圧力をかけて変化を計測しました。
その結果、島田八房梅の破断強度は12.2、南高梅は15.5と、島田八房梅の方が数値が低かったのです。このことから、島田八房梅の方がやわらかいと証明されました。
-静岡大学農学部園芸イノベーション学研究室「品質調査およびテクスチャー解析から見る島田八房の特徴」より
②水分はどちらが多い?「水分含量」を比較
島田八房梅の方が実がやわらかい、ということは水分が多いからでは?とも考えられますね。そこで次は、実の中に水分がどのくらい含まれているか「水分含量」を調べました。
すると、島田八房梅の水分含量が67.1%に比べて、南高梅が70.3%と島田八房梅の水分が少ないことが判明。島田八房梅のやわらかさは水分が多いからではなかったのです。
そして水分含量が低いということは、南高梅よりも実が詰まっているということ。その分、味に深みが出るのだろう。だから島田八房梅はおいしいのだ、と今回の解析結果からもわかってきました。
-静岡大学農学部園芸イノベーション学研究室「品質調査およびテクスチャー解析から見る島田八房の特徴」より
「島田八房梅のおいしさを味わってほしい」梅工房を立ち上げる
オーナーの大石が島田八房梅の存在を知ったのは、結婚して島田市に来てから。もともと梅が大好きで、趣味で梅干し作りをしていた大石が、たまたま知人から島田八房梅をもらったことがきっかけでした。
その味わいに惚れ込んで、伊太地区で本格的に梅の栽培を始めることに。夫婦で協力しながら梅作りをしていき、2019年には梅工房を立ち上げました。
「このおいしさをもっと多くの人に味わってもらえたら」そんな思いから、梅工房おおいしが始まったのです。
改善を重ねて島田八房梅のおいしさを追及、数多くの賞を受賞
梅工房を立ち上げた大石夫妻は、お客様に島田八房梅をよりおいしく食べてもらえるように工夫を重ねていきました。
人気の梅干しは改良を加えていき、全国の品評会等に出品。「全国梅干しコンクール」や「にっぽんの宝物」など、数多くの賞をいただくことができました。
さらにオリーブオイル漬けや醤油漬けの梅などを始め、酸っぱい梅が苦手な人のために、ジュレ漬けやジャムなどのデザート商品も。多くのお客様に喜んでもらえるよう、島田八房梅の特徴を活かした様々な商品を生み出しました。
梅工房おおいしの島田八房梅をぜひ味わって!
こうして多くの梅商品を取り扱うようになった梅工房おおいし。
「おいしい」といってくださるお客様の声を励みに、梅が大好きなオーナーと私たちスタッフが日々、丁寧に愛情を込めて作っています。
ぜひ島田八房梅を味わってみてください。